今日は久しぶりに好きな映画のDVDを見ました。
この映画は、1992年にある若者がアラスカの荒野の廃バスの中で遺体で発見されたという実話をもとに作られたものです。
昔、何か映画を見に行こうと思って行った映画館でたまたまこの映画をやっていたのですが、とても感動してすっかり虜になりました。その時から今でも一番好きな映画です。
すぐに原作本を購入、そちらもとても興味深く読みました。
この主人公のクリスは物質的にも精神的にも究極のミニマリストだと思います。
(「地上が住みか」です)
当時(2008年)はミニマリストなどという言葉はまだ全く聞かない時代でしたが、今こうしてミニマリストを目指している事を不思議な偶然だなあ、と思います。
(クリスの愛読書のひとつがソローの「森の生活」でもあります)
クリスはトルストイをよく読んでいたのですが、次の一節が印象に残っています。
トルストイ「家庭の幸福」より
幸福のために何が必要かわかった。
田舎での静かな隠遁生活だ。
人々の役に立つこと。
人によくするのは簡単だ。
みんな親切に慣れていない。
人の役に立てる仕事をすること。
それから自然・書物・音楽・隣人への愛、それが私の幸福の概念だ。
そして最も必要なのは、きっと人生の伴侶、そして子供への愛。
他になにを望めよう。
DVDも買ったので忘れた頃にたまに見ています。見る度に、少女の頃に戻ったような、爽やかな、純粋な気持ちになれるのです。
(あくまでも私の感想ですが…)
クリスが残した言葉
happiness only real when share
(幸福が現実となるのは誰かと分かち合った時)
映画の一番最後に、実際のクリスの写真が少しだけ出てくるのですが、その繊細な笑顔が涙を誘います。
でも哀しいラストなのになんだか元気になる、そんな映画です。